2026.10.12

- ヒトとモノ

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People .02【前編】ネストハウスをかたちづくるひと

なんかいいな、と思う瞬間がある。
そこには、ここで働く人たちのゆずれないこだわりや、温かな想いが静かに宿っています。

このコラムは、イロハーブをかたちづくる「人」の想いと「モノ」の魅力に触れ、紐解いていく記録です。「なんかいいな」の理由を、人とモノの両側から届けていきます。

Kogimoto Junko. | インテリアコーディネーター

目に見えない「心地よさ」の輪郭を、お客様と一緒にほどいていく

「人前で話したり、言葉にしたりするのは、あまり得意じゃなくて」

取材の終わりに、小木本さんはそう言って、少し恥ずかしそうに笑いました。

しかし、お客様の暮らしに話が及ぶと、その言葉はあふれ出すように次々と紡がれていきます。あの家のキッチンのこと、引き渡しの日にいただいた大切なお手紙のこと、久しぶりに訪れたお客様の家がその人らしさで満たされていたときのこと……。

今回、お話を伺った小木本さんは、ネストハウスのインテリアコーディネーター。設計士が描いた図面に、それぞれの「暮らしの色」を添えていくのが彼女の仕事です。これまでずっと、お客様のまだ言葉にならない「心地よさ」に寄り添い、一緒に想像しながらかたちにしてきました。

彼女が何を大切にしながら、日々の仕事に向き合っているのか。その温かな眼差しの奥にある想いを、丁寧に紐解きます。

まっさらな場所から、つくり上げる

–– もともと、どうしてこのお仕事についたのでしょう?

最初は企業の事務職として働いていました。でも、働くうちに、一生続けられる仕事がしたいと思うようになって。もともとインテリアが好きで、子どもの頃から新聞広告のチラシやインテリア雑誌を見るのが好きだったんです。間取り図を見ては「ここに家具を置こう」なんて想像して楽しんでいて。せっかくなら好きなことを仕事にしようと思い、勉強してインテリアコーディネーターを目指しました。

一口にインテリアコーディネーターといっても、家具屋さんや設備メーカーさんなど、活躍する場所は本当にいろいろあります。その中で、私は「住宅」がよかった。何もない、まっさらな状態からお客様と一緒につくり上げていきたくて。まだ目に見えないものを、一緒にかたちにしていけたらいいな、と思ったんです。難しいですけれど、だからこそ、そのプロセスに惹かれました。

そうしてこの仕事ができるようになった今、私自身が「やりたかったことをやれている」と思えています。

もちろん、お客様から期待して頂いている分だけプレッシャーや責任は大きいです。でもこの仕事が大好きだという気持ちの方が強いので、新しいことを学ぶのはとても楽しく、すべてが自分の成長にも繋がっています。

–– 実際には、どのような流れでお仕事を進めていくのですか?

設計士が間取りを固めて、図面が確定したあとからが、コーディネーターの出番です。お客様とは、そこで「初めまして」になります。

そこから約1ヶ月間かけて、インテリアや床、壁の素材など、空間全体をコーディネートします。お打ち合わせは基本的に4回ですが、状況によっては5回、6回、長くなると7〜8回になることも。お打ち合わせの時間も、朝から夕方までじっくり話し合うこともあるんですよ。

中でも、一番大変なのは図面を描くことです。間取り図は平面ですから、それを立体としてイメージできるように図面を起こす必要があるんです。

特に、キッチンの背面収納やテレビボードといった、既製品ではない「造作(ぞうさく)家具」をご提案するのは、本当に難しくて。その人の暮らしに合わせたたった一つのものをつくるわけですから、いつも試行錯誤の連続です。

でもそのぶん、お客様らしさを一番引き出せる部分でもありますし、そこがこの仕事の一番の醍醐味ですね。

好みの輪郭を確かめる

–– 打ち合わせでは、お客様とどんなふうにお話を深めていくのですか?

設計士の意図する方向性を意識しながら、お客様の理想とするお家を具体化していきます。

お客様は一人ひとり想いも考え方も違いますので、話の進め方も本当に人それぞれなんです。中には、まだ建てたいお家のイメージがはっきりしていない方もいらっしゃいます。そうしたお客様の中にあるふわっとした「好き」を具体的にして、言葉にして差し上げるのも、私の大切な役割だと思っています。

お打ち合わせの前には、まず営業から共有されるカルテのご要望を出発点にします。そこから、実際にお話ししながら、お客様のライフスタイルやご趣味、好きなものをヒントに理想のイメージをたぐり寄せていくんです。

ネストハウスの施工事例の写真をお見せしながら、「こういう雰囲気はお好きですか?」と、好みの輪郭を少しずつ確かめていく。何よりもまず、お客様と同じ目線に立って、じっくりと耳を傾けることから始めています。

間取りや生活動線などの設計の工夫が家づくりのベースではありますが、五感に働きかけてくる内装やインテリアは、心地よい空間づくりの最後の仕上げ。お客様と一緒にインテリアの選択を楽しみながら、お客様の望む空間をつくりあげることができればと思っています。

-後編に続く-

お客様一人ひとりの想いに寄り添い、その人らしい暮らしを一緒につくり上げていく小木本さん。前編では、そんな彼女の温かな人柄が垣間見えました。では、家が完成したその先に、どんな喜びや出会いが待っているのでしょうか。小木本さんが大切にしている、住まいづくりへの想いをさらに紐解いていきます。

Words by Ayumi Tanaka
田中 亜由美|ライター

山口県岩国市由宇町出身。大阪に移り住み、宿泊業を経験。地元・岩国や山口県の魅力を伝えたいという想いからUターンし、ライターとして活動している。

 

 

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