2026.09.30

- ヒトとモノ

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ネストハウスをかたちづくるひと【前編】|Kaori Ishikawa

新シリーズがはじまります。
ネストハウスの会社がかたちづくる「ひと」の想いと、「もの」の魅力を、これからひとつずつお届けします。

なんかいいな、と思う瞬間がある。そこには、ここで働く人たちのゆずれないこだわりや、温かな想いが静かに宿っています。

素材の呼吸に耳を澄ませる設計士。光と影の美しさを確かめ、空間を愛しむスタッフ。お客様の言葉にならない願いを、丁寧にすくい上げるコンシェルジュ。ネストハウスには、それぞれの場所で、強いプロ意識とこだわりを持って働く人がいます。そして、その人たちが選び抜いた家具や道具、何年もかけて育ててきた空間があります。

このコラムは、ネストハウスをかたちづくる「人」の想いと「モノ」の魅力に深く触れ、紐解いていく記録です。どのような想いでそれを選んできたのか。何を一番大切にしているのか。そして、そのモノの背景にはどのような物語があるのか。

「なんかいいな」の理由を、人とモノの両側から届けていきます。

People.01 Kaori Ishikawa iroherb shop 

【前半】「本物」を、暮らしのそばに

2026年5月、イロハーブショップが10周年を迎え、リニューアルオープンしました。お話を伺ったのは、オープンのときからこの場所に立ちつづけてきた、店長の石川 香さんです。

生まれ変わったばかりのショップに足を踏み入れると、まず空気が違うことに気づきます。やわらかな光の落ち方。どこからか、ふわりと漂う心地よい香り。空間ごとに、そっと表情を変えていく音楽。家具が「置いてある」というより、そこに広がっているのは、ひとつの暮らしの景色。

10年の歩みの先で、石川さんが大切にしてきたこと。そして今、何を見つめながらこの場所に立っているのか、じっくりと伺いました。

建築もインテリアも、ひとつの暮らしとして

—— 普段どのようなお仕事をされているのか教えてください。

主に店頭でお客様をご案内するほか、各ブランド様との打ち合わせやイベント企画、SNS発信や商品紹介の文章作成、ご購入後のアフターフォローまで幅広く担当しています。

また、インテリアのご相談もお受けしています。お客様のお話を伺いながら、それぞれの暮らしに合わせた家具や照明を選び、レイアウトを考え、図面を引いてご提案する。そして配送や設置にまで立ち会わせていただくこともあります。

—— かなり幅広いお仕事ですね。

そうですね。これらをトータルで行っているのには理由があるんです。日本では、設計士が間取りを作り、インテリアコーディネーターが内装を整え、家具はインテリアショップが扱う。そのように役割が分かれています。でも、ヨーロッパなどには「インテリアデザイナー」という職業があって、空間のコンセプト設計から図面、内装、照明や家具の選定など一貫して行っています。

私たちも、それを大切にしていて。部屋の質感や温度、光と影のゆらぎ、手触り、香り……そういうものまで含めて、暮らしをまるごとコーディネートする。そうすることで、お客様にとって本当に心地いい空間を作ることにつながると考えています。そして、それは私たち住宅会社であるネストハウスだからこそできることでもあるんです。

本物に触れる、ということ

—— 今回のリニューアルのコンセプトはどのようにして生まれたのですか?

イロハーブショップが立ち上がってからの10年間、一貫して「長く使える、普遍的なもの」を置くという軸を大切にしてきました。ただ、このショップがお客様へ本当の意味で提供できる「価値」とは一体何なのか。そこは、ずっと模索を続けてきたようにも思うんです。

それが10周年という節目を迎え、「お客様に本当に価値あるショップとは何だろう、私たちだからできることは何だろう」と改めて考えたときに、自然と浮かんできたのが「五感」という言葉でした。

これまでこの仕事を通じて、世界中の一流と呼ばれる名作家具に触れたり、素晴らしい体験を提供している施設に足を運んだりしてきました。そうやって自分の中に積み重ねてきたものが、このタイミングで自然と言葉になったのだと思います。

そしてたどり着いたのが、「五感で感じ、体験を通して選ぶ空間」というコンセプトです。

—— 「体験を通して選ぶ」とは、どういうことでしょう。

今は、インターネットを使えば情報がいくらでも手に入る時代です。だからこそ、実際に見て、触れて、光を感じながら、「なんかいいな」を見つけてもらいたいと思っています。

それを、私自身が強く感じた出来事があって。今回、新しく「Tom Dixon(トム・ディクソン)」というイギリスの照明ブランドを取り入れたのですが、正直なところ最初は、イロハーブショップには少し派手すぎるんじゃないかなって思っていたんです。動画や写真では何度も見ていたので、商品のことをわかっているつもりでした。

ところが、ショールームで「本物」を目にした瞬間、まるで違ったんです。もう、圧倒的で。その場の空気や触れたときの質感は、画面上では絶対に伝わらない。実際に肌で感じてみないとわからないんだと、気づかされました。

ここ、山口県岩国市で暮らしていても、本物に触れることはできる。本物に触れたときにしか伝わらないものを、確かに受け取れる。そんな場所にしたい。リニューアルでは、そんな空間をつくることを大切にしました。

-後半へ続く-

-取材を終えて-

見て、触れて、心地よさを感じる。
石川さんのお話から、本物に出会う体験を大切にする、イロハーブショップの想いが伝わってきました。

後半では、10年の歩みを支えてくれた人たちへの感謝と、お客様の暮らしに長く寄り添うために大切にしていることを伺います。

Words by Ayumi Tanaka
田中 亜由美|ライター

山口県岩国市由宇町出身。大阪に移り住み、宿泊業を経験。地元・岩国や山口県の魅力を伝えたいという想いからUターンし、ライターとして活動している。

 

 

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